公開質問状

2012年4月18日

株式会社オリンパス 御中

オリンパス株主被害弁護団
団長弁護士 米川長平

 

オリンパス株主被害弁護団は,有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)によって不当に形成された株価のもとでオリンパス株式を購入した投資家を原告とした民事訴訟を通じて,①投資家に生じた損害の回復,及び,②証券市場の公正さの回復を目指す弁護団です。

 

当弁護団には,投資家の方々から,「光学機器分野では世界に冠たるオリンパス,特に医療用という絶対に『ごまかし』のあってはならない製品を作っているオリンパスが,この度虚偽の報告をし,違法な方法で経理処理をした事は,絶対に許されることはではありません。製造する製品の信頼性をも失わせる卑劣で醜悪な行為です。」,「責任者の民事刑事の責任追及と同時に,会社自体の民事責任を果たすべく厳しく追及していただきたい。その際,『世界最大手の日本代表企業』であっても,世界へ日本企業の信頼性を発信するためには,あの『エンロン』のようなことがあってもやむを得ない。でなければ安心して株式投資が不可となります。」,「日本は経済詐欺大国です。罪と罰をイコールにするのが正義です。執行役員はその対面を保持しようと隠し通せると信じ行なったのだから,その責任は果たしてほしい。」,「経営の中枢が損失の繰り延べ,先送りを実行した真の理由,根拠を具体的に公表されるべきではないのか!」などといった,貴社のおこなった有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)に対する怒り,憤り等の声が多数寄せられています。

 

そこで,貴社がおこなった有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)に関する以下の5項目について質問致します。

 

なお,日本を代表する株式会社である貴社が有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)という重大な違法行為をした以上,貴社には本質問状に回答する社会的道義的責任があります。貴社が設置した第三者委員会においても,貴社が,信頼を回復するために,法令等に基づく開示以外にも情報開示をしなければならない立場にあることが指摘されています。

 

このように,貴社には本質問状に回答する社会的道義的責任がありますので,誠意ある御対応を求めます。

1 実態の解明について

(1)前提事実

当初,貴社は,「経営の方向性・手法に関して大きな乖離が生じ,経営の意思決定に支障をきたす状況」となったためウッドフォード氏を解任した旨のプレスリリースをした上,記者会見をおこないました。

その後,貴社は,有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)という重大な違法行為があったか否か等を調査するために第三者員会等を設置し,実態の解明を図ろうとしました。

 

(2)質問事項

①貴社は,有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)の実態を解明できたとお考えですか。

②実態を解明できていないとすると貴社は今後実態の解明に向けてどのような取り組みをする予定ですか。

2 違法行為との決別について

(1)前提事実

貴社が設置した第三者委員会は,「旧経営陣の一新」を再発防止策として掲げています。
しかし,平成24年4月2日付け朝日新聞朝刊は,貴社の英国子会社が「資産を実態より8割余も多く見せかける決算書を英国の当局に提出した際,金融商品取引法違反などの罪で起訴されたオリンパス前社長・菊川剛被告(71)らとともに,同社の財務本部長に1日付で就任した幹部もかかわっていたことがわかった。」と報道しています。また,マイケルウッドフォード著「解任」(早川書房)では,「オリンパスの新しい経営陣は,旧経営陣とメインバンクの主導によって決ま」ったとされています。

 

(2)質問事項

①貴社が有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)に関わった重要人物を財務本部長にしたことは事実ですか。

②なぜ,貴社は,有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)に関わった重要人物を財務本部長にしたのですか。

③貴社の経営陣は一新されたといえるのですか。

3 貴社から関係者に対する責任追及について

(1)前提事実

貴社は,外部アドバイザーらの助力・協力を得ながら,被告から損失を分離するスキームや損失を解消するスキームを考案し実行したことを認めています。

 

(2)質問

①貴社が巨額のアドバイザリー報酬をもらった関係者らに対して責任追及をおこなう予定はありますか。

②貴社は,巨額のアドバイザリー報酬をもらった関係者らに対する責任追及をおこなうとすれば,いつを予定していますか。

③貴社が巨額のアドバイザリー報酬をもらった関係者らに対して責任追及をおこなわないとすれば,その理由はどのようなものですか。

4 貴社の刑事上の責任について

(1)前提事実

貴社は,有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)をしたことを認めるプレスリリースをしています。また,貴社が設置した第三者委員会等も貴社が有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)をしたことを認めております。そして,貴社自身,有価証券報告書等の訂正報告書等を提出しています。

 

(2)質問

①貴社は,起訴内容を認めるのですか。

②貴社が起訴内容を認めないとすれば,その理由はどのようなものですか。

5 貴社の民事上の責任について

(1)前提事実

貴社の有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)により不当に形成された株価で貴社の株式を購入した投資家は損害を被らされています。

貴社は,有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)をしたことを認めるプレスリリースをしています。また,貴社が設置した第三者委員会等も貴社が有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)をしたことを認めております。そして,貴社自身,有価証券報告書等の訂正報告書等を提出しています。のみならず,貴社自身,旧経営陣に対して損害賠償請求訴訟を提訴しています。

 

(2)質問

①貴社は,問題に正面から向き合い,投資家に生じた損害を賠償するつもりはあるのですか。

②損害を賠償しないと争うのであれば,その理由はどのようなものですか。

 

ご回答につきましては,平成24年5月10日までに下記宛にご送付いただきますようお願い致します。

 

公開質問状への回答送付先

〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-8-10

セイコー虎ノ門ビル9階

団長弁護士 米 川 長 平 宛

 

なお,本質問状は公開とさせていただきます。本質問状を貴社に対して送付するのと同時に,オリンパス株主被害弁護団のウェブサイト(URLは,http://www.olympus-higaibengodan-tokyo.jp/です。)にて公開いたします。

 

本質問状はオリンパス株主被害弁護団の弁護士だけではなく,多数の投資家の方々の声も踏まえた質問状です。そのような趣旨も是非踏まえていただき,誠意あるご回答を求めます。お忙しいところとは思いますが,どうぞよろしくお願い致します。

以上

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